障がいや差別、多様性・共生社会を考える「第一回ダイバシティ映画祭~映画上映会&シンポジウム~」が東京・八王子の八王子市生涯学習センター5階クリエイトホール (八王子市東町5-6JR八王子駅北口徒歩4分)で 12月23日開催されます(開催終了)。
障がいを抱える当事者も運営に関わる特定非営利活動法人「ほっとスペース八王子」が主催で、国際文化交流に取り組む一般社団法人ユーラシア国際映画祭が企画協力します。
「第一回ダイバシティ映画祭」では、メイン映画上映作として100年前、座敷牢に精神疾患を抱える家族を幽閉するなど、差別的な日本の精神医学の状況を告発した東京大学医学部精神科の教授だった呉秀三の調査をまとめたドキュメンタリー映画「夜明け前 呉秀三と無名の精神障害者の100年」(今井友樹監督) (2018年第92回キネマ旬報ベストテン文化映画9位)
を上映し、古屋龍太氏(日本社会事業大学名誉教授 _精神国賠訴訟研究会代表)や、相原啓介氏(高幡門前法律事務所弁護士 ・滝山病院の退院支援に取り組む)、小峰盛光氏(ほっとスペース八王子会員 ・『おりふれ通信』編集委員)など、精神疾患の専門家を招き、精神科での差別や虐待をどう超えていくのか考えるシンポジウムを開催します。
【精神科での虐待を考えるシンポジウム】
今年2月、精神科滝山病院(東京都八王子市)において、入院患者への暴行が発覚し、警視庁が2月以降、看護師や准看護師ら5人を相次ぎ逮捕、書類送検しました。滝山病院の事件によって、患者への”おぞましい虐待”が発覚し、わが国日本を取り巻く精神医療の問題その闇深さが報道によって浮き彫りになりました。
精神障がい者への偏見や差別で生きづらさを訴える当事者は少なくありません。映画「夜明け前」に登場される呉秀三先生が1918年刊行した書籍で「我が国十何万の精神病者は実に、この病を受けたるの不幸のほかに、この国に生まれたるの不幸を重ぬるものというべし」という日本社会への痛烈な批判を残しています。
【多様性を尊重し合う社会~映画を通じて】
イラク戦争後のイラクでのPTSDを抱えた精神病者に対しての社会的差別を描く「狂気と蜜の日々」(アメード・ヤシン監督/メイサム・シバラプロデューサー)や、狂気を抱え、悪の道を歩んできた男の更生する姿を描く「ダイバシティ・ユナイテッド」(樽谷大助監督・脚本家・編集/増山麗奈)など映画も紹介します。ウクライナやガザ、パレスチナ、イスラエル、スペインなど多国籍なチームで国際交流映画を制作する樽谷大助監督・増山麗奈監督が“価値観の違う人々が尊重し合いながら、共存する場”を映画を通じて希求する取り組みを発表します。
会場では、7歳の時に自閉症と診断されながら地域の小中学校へ通い、高校を卒業したのち現在大阪市立デザイン教育書在学中の画家、廣木旺我(ヒロキオウガ)さんのなどの絵画作品の展示も。
日本社会が抱える精神医療の闇と、多様性が尊重され暮らしやすい社会の構築について、映画上映とシンポジウムで皆様と一緒に考える機会を探ります。
「夜明け前」予告編
https://youtu.be/H9y0LB2IXv4
「ダイバシティ・ユナイテッド」予告編
https://youtu.be/H9y0LB2IXv4